きらきらした時間

2010/07/07

先月末、福島へ行った。
あんざい果樹園の伸也さんがスタッフとして関わっているFOR座RESTへ。
夫は一昨年からFOR座RESTの撮影をしている。
イベント前日の金曜日、県立盲学校でアン・サリーさんのライブがあった。
このライブは、学校のこども、保護者、職員の方々のためのものだった。
会場は、盲学校の体育館。
わたしは、体育館の2階で会場の様子をムービーで撮る係をした。
ライブの開始時間が近くなると、こどもと大人が次々と体育館へやってきた。
ともだちの手を引いて歩いている子。先生に引率されている子。車いすの子。
盲導犬といっしょに来た大人の方もいた。
簡易椅子に座り、みんなでライブを聞いた。
アン・サリーさんの声はいつものように澄み、こころの深いところに沈んでいった。
じっと耳を澄ましている子。たのしげに声を上げる子。その子に注意する子。
床に大人しく伏せているラブラドール。
2階からわたしはその様子を見た。
体育館は、きらきらした空気につつまれていた。
その空気のなかにいるだけで、胸がいっぱいになり、何度も涙が流れた。
「今日、ここに来るために来たのかもしれない」と思ったほど。
ライブは、1時間。
終わると生徒代表がふたり前へでて「ありがとう」と言った。
途中、言葉がつまったけれど、みんな次の言葉がでるまでしずかに待った。
あわてたり、急かしたりする大人はだれもいなかった。
言い終わると、ひとりの子がもうひとりの子の手を引き、席へ戻っていった。
その様子が「いつものこと」としてわたしの目に映り、また涙がでた。
それぞれのこころなかに、歌声はどんなふうにとどいたんだろう。
どんな世界が広がっていたんだろう。
わたしのこころのなかは、午後のやさしいひかりがしずかに射しているようだった。
PICT1793.jpg
体育館の入口に置かれていた点字の案内

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