帰り道

2008/08/09

午後8時。バスに乗ろうとバス停に立っていたら
後ろにならんだおばあちゃんに話しかけられた。
最初は、バスの時間のことを聞かれたのだけれど
話はそれだけで終わらず、出かけた先のこと
年齢や住んでいるところ、若かったときの仕事のことなど、
いろいろ話してくれた。
今日は七夕祭りに行っていて、夜になってしまったそう。
話を聞いていたら、近所に住んでいる人だったので、
同じバス停で下りることにして、途中までいっしょに帰ってきた。
90歳。元気なおばあちゃんで、足取りもしっかりしていた。
この前、近くで花火大会があった。
そのときの話になり、おばあちゃんは、
ともだちとふたり、花火を見たと言っていた。
以前は4人で見ていたけれど、いまはふたりになってしまった、と。
最後、近所の横断歩道のところで別れた。
おばあちゃんは右のほうへ、わたしは左のほうへ。
ちょっと心配だったので、帰っていく姿を見ていたら
おばあちゃんは、途中でくるっと後ろをふり返った。
あっと思い、大きく手をふったら
おばあちゃんもおなじように手をふってくれた。
そして、また、歩き出した。
その後ろ姿を見ていたら、おばあちゃんの家のところまで
いっしょに帰ればよかったのかなあ、と思った。
ひとり暮らしだと言っていたから、さみしかったのかもしれない。
だから、ずっと話していたのかも。
ときどき「・・・・していればよかったのかな」と思うことがある。
「・・・・・」のところには、いろいろな言葉がはいる。
今日は「いっしょに帰れば」という言葉が、当てはまる。
でも、そう思うのは、いつも後になってからのこと・・・・・。

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